<請負とは>
 請負とは、当事者の一方がある仕事を完成させることを約束し、相手方がそれに対して報酬を払うことを約束することによって、効力を生ずる契約で、民法632条以下に規定があります。
 一般的に、報酬を払う側が注文者、仕事を完成させる側が請負人と呼ばれます。
 請負契約で比較的多いのは、建物の建築請負契約でしょうか。

<報酬>
 請負の報酬は、原則として、仕事の目的物の引渡しと同時に払わなければなりませんが、建物の建築の場合等は、契約時にいくら、途中でいくら、建物の完成引渡時にいくらというように、分割払いの定めがなされることが通常です。
 物の引渡しを要しないときは、請負人は仕事を完成させた時点で報酬の請求ができます。

<瑕疵担保責任>
 仕事の目的物に瑕疵(不具合)があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができますが、瑕疵が重要でない場合で、その修補に結構な費用を要するときは、請求ができません。
 また、注文者は、請負人に対し、瑕疵の修補の代わりに、またはその修補と共に、損害賠償の請求をすることもできます。
 これらの請負人の責任は、瑕疵担保責任と呼ばれています。
 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達成することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができますが、目的物が建物その他の土地の工作物の場合には、解除はできません。
 これは、建物その他の土地の工作物の場合は、契約を解除してそれを取り壊すことを認めると、社会経済上の損失が大きく、また請負人にも酷であるからとされています。
 これらの請負人の担保責任は、仕事の目的物の瑕疵が、注文者の提供した材料の性質や注文者の与えた指図によって生じたときは、発生しませんが、請負人がその材料や指図が不適当であることを知りながら、注文者に告げなかったときは、発生します。
 これらの瑕疵の修補請求・損害賠償の請求・契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から(仕事の目的物の引渡しを必要としない場合には、仕事が終了した時から)1年以内にしなければなりません。
 なお、建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物または地盤の瑕疵については、引渡しの後5年間(石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造、その他これらに類する構造の工作物については、10年間)、担保責任を負います。
 この瑕疵によって、工作物が滅失または損傷したときは、注文者は、その滅失または損傷の時から1年以内に、瑕疵修補・損害賠償の請求をしなければなりません。
 請負人の担保責任の存続期間は、契約で10年まで伸長することができます。
 請負人は、逆に担保責任を負わない旨の特約をすることもできますが、その場合であっても、知っていながら注文者に告げなかった事実については、責任を免れることができません。
 注文者は、契約後、請負人が仕事を完成しない間は、いつでも請負人の損害を賠償して、契約の解除をすることができます。

<新築住宅の場合>
 なお、住宅を新築する建設工事の請負契約(住宅新築請負契約)の場合は、住宅の品質確保の促進等に関する法律により、上記の民法の瑕疵担保責任の特例が、別途定められています。
 すなわち、請負人は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する一定の部分の瑕疵(構造耐力または雨水の浸入に影響のないものを除く)について、担保責任を負うこととされており、これに反する特約で注文者に不利なものは、定めても無効となります。
 また、新築住宅の請負契約のみならず売買契約においても、売主は、買主に引き渡した時(その新築住宅が、住宅新築請負契約に基づいて請負人から売主に引き渡されたものである場合には、その引渡しの時)から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、一定の担保責任を負い、これに反する特約で買主に不利なものは、定めても無効となります。
 ただし、これらの規定は、一時使用のために建設されたことが明らかな住宅については、適用されません。
 住宅新築請負契約や新築住宅の売買契約においては、請負人や売主が瑕疵担保責任を負うべき期間は、注文者または買主に引き渡した時から20年以内とすることができます。

 請負契約については、これら法律の規定のほか、色々と重要な判例も出されており、注意が必要な契約類型といえます。
 請負契約の問題についても、お気軽にご相談ください。