交渉は、日常生活に、ついて回ります。
もちろん、仕事上も、そうです。

交渉事を行う際には、様々な要素を考慮しなければならないのですが、交渉を有利に進めるための要素としては、言い分の正しさ、力関係などが挙げられます。

まず、言い分の正しさですが、正論は、説得力がありますし、従う必要があると誰しも考えやすいものですから、これがあれば、当然交渉は有利になります。
したがって、本来は、言い分の正しい側は、自信を持ってそれを主張すればよく、引くべき理由はありません(逆に、変に引くと、それとは違う事実を認めたことになる恐れがあります)。
ただ、場合によっては、問題の早期・円満な解決を図りたい場合には、多少の譲歩をして、相手の顔も立てつつ、紛争を終わらせるのが得策である場合も、ないわけではありません。
しかしながら、この場合は、相手もそれで満足をして、矛を収めてくれることが大前提となります。
この譲歩も、内容やタイミングなどを見誤ってしまうと、損をしたり、更に不利になったり、将来に禍根を残したりしますので、するべきところを見極める必要もあります。
なお、言い分が正しくとも、それを裏付ける証拠がないと、相手も大きく出ますし、水掛け論にもなってしまうので、裏付けは必要です。

次に、力関係の点ですが、ここに大きな差があると、必ずしも正論を言っても事態が好転しないばかりか、より悪くなる可能性もあります。
身近な例でいえば、お得意様や元請け先などから強く出られると、正論を言えない、あるいは言っても通用しにくいというケースでしょうか。
対策は、自分も力を付けて対等になることや、味方を増やすことなどでしょうが、時には、今後取引を切られても構わないという覚悟を持ち、毅然と正論を言うことも必要な場合があります。
力関係が上の相手に対して、きっぱりと主張を言うのは、実際には、なかなか困難であろうことは分かりますが、かといって違法なこと、理不尽なことなどをのんでいけば、いつしかそれが当たり前となり(相手もそう考え)、最終的には自分の首を絞めることにもなりかねません。

我々の仕事でも、交渉力はとりわけ重要であり、私も日々、試行錯誤・研究をしております。