刑事事件において、無罪判決が出ることは、稀なことですが、無罪判決の場合、一般の人は、被告人が勾留(身柄の拘束)を解かれ、すぐに自宅へ帰れるものだと思われるかもしれません。
しかしながら、判例上は、必ずしもそうとは限らないこととなっています。

最高裁判所平成23年10月5日決定は、この点について、おおむね以下のように、述べています。
「第1審の裁判所が、犯罪の証明がないことを理由として、無罪の言い渡しをした場合であっても、控訴審の裁判所は、第1審裁判所の判決の内容、とりわけ無罪にした理由と、関係証拠を検討した結果、なお被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、かつ、刑訴法345条の趣旨や、控訴審が事後審査審であることを考慮しても、勾留の理由と必要性が認められるときは、その審理の段階を問わず、被告人を勾留することができる。」

したがって、第1審で無罪判決が出たからといって、それが確定するまでは、被告人は、必ずしも家族のもとへ帰れるとは限らないのが、現状といえます。