勤務先の倒産は、怖いものですが、大企業でも傾くこの時代、いつ起こらないともいえません。
破産手続の場合は、従業員が知らないうちに、ある日いきなり裁判所へ申し立てのされる場合や、事前に解雇等をされた上で申し立てのされる場合等があります。

このような場合、気になるのは、再就職のこともあるでしょうが、給料のことでしょう。
会社が破産手続に入る場合には、従業員の給料も、未払になっていることが多いと思います。

会社が破産をすると、裁判所の選任した管財人が、会社の財産を調査・確保し、お金に換えた上で、法律で決められた優先順位に従って、支払をしていきます。
この優先順位は、税金等のほか、未払給料のような労働者の債権も、生活の糧となる重要な権利ということで、一定の範囲で、優先権が与えられています。
したがって、勤務先にある程度の残余財産があれば、多少なりとも払ってもらえる余地が出てきます。
仮に残余財産のない場合でも、未払賃金については、「独立行政法人労働者健康安全機構」による立替払いの制度も用意されており、これを利用することができれば、最大で未払額の8割(限度額あり)を、支払ってもらえます。
ただし、この制度を利用できるためには、勤務先が労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業で、1年以上事業活動を行っていたことなど、一定の条件を充たしている必要があります。
勤務先が倒産をしてしまった場合でも、すぐに諦めるのではなく、この制度を利用できないかどうか、勤務先の代理人の弁護士や管財人等に尋ねてみるとよいでしょう。