売買とは、当事者の一方が、ある財産権(物に限りません)を相手方に移すことを約束し、相手方がこれに対してその代金を払うことを約束することによって、効力を生じる契約です。

 売買は、必ずしも契約書などを作って書面でしなければならないわけではなく、口約束でも成立します。

 皆さんも、食料品や日用品の購入その他で、日常的にこの売買を行っているはずで、誰にでも大変なじみの深い契約といえます。

弁護士と契約書をかわすイラスト

 

 ただ、口約束で成立するとはいっても、それは何も起こらなければそれで済むというだけの話で、争いになった時には、どのような約束であったかが「言った・言わない」の話になり、契約書があるのとないのとでは雲泥の差になりますので、少なくとも高額な取引や継続的な取引等では、契約書の作成は必須です。

 以下、売買契約の詳細について述べます。

 売買契約に要する費用は、取り決めがない限り、当事者双方が等しい割合で負担します。

 手付の取り決めをすることも可能です。

 この場合、買主が売主に手付を交付したときは、買主の場合はその手付を放棄することで、売主の場合はその倍額を現実に提供することで、どちらからも契約の解除をすることができます。

 ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この解除はできません。

 売買契約をしたら、売主は買主に対して、登記・登録等、売買の目的である権利の移転について、対抗要件を備えさせる義務を負います。

 他人の権利や、その一部を売買の目的とする売買契約も、可能であり有効ですが、この場合には、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負います。

 引き渡された目的物が、種類・品質・数量に関して、契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができます。

 ただし、この場合、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法によって、履行の追完をすることもできます。

 上記の契約不適合の場合には、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて、代金の減額を請求することもできます。

 なお、①履行の追完が不能であるとき、②売主が、履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき、③契約の性質や当事者の意思表示により、特定の日時や一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合で、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき、④これらの場合のほか、買主が上記催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき、には、買主は、催告をせず直ちに代金の減額を請求することもできます。

 なお、当然ながら、不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は履行の追完も代金の減額も請求することはできません。

 買主は、契約不適合の場合には、売主に対して、損害賠償請求や契約解除等をすることも可能です。

 売主が、種類・品質に関して、契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合で、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求、契約の解除をすることができなくなります。

 ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知っていたときや、重大な過失によって知らなかったときは、買主は1年以内に通知していなくとも、これらが可能です。

 売主は、上記の不適合の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知っていながら告げなかった事実等については、その責任を免れることができません。

 売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、特段の取り決めがない場合には、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定されます。

 また、売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、特段の取り決めがない場合には、その引渡しの場所において支払わなければなりません。

 以上が、売買についての主な規律となります。

 トラブルになった場合の解決の方法としては、相手との話し合いや調停・訴訟などによることになります。

 売買の問題についても、お気軽にご相談ください。